「HALIDA(ハリダ)」
ベトナム・ハノイのビール、だそうだ。
南の国のビールは総じて薄味で、それほど美味しくない、という印象がある。
(もちろん、個人的に)
たまたま行った輸入食品の店に、もの珍しさから買った物。
それもずいぶん前のことで、またしてもずっと冷蔵庫に死蔵されていた物。
いつものグラスで飲んでみる。
印象どおり、薄い味。
でも印象以上の味。
つまり、ウマいのだ。
スッキリして後味も悪くない。
夏のビールとしては、最適かもしれない。
また見つけたら買ってこようと思う。
…まだ売っているだろうか(笑)?
海から上がって、しばらく島を散策してみる。
移動手段は宿で借りた自転車。狭い島内、これで充分こと足りる。
遠くの島景色も風情あり。
やはり、この島のことが好きだと思う。
途中、地元の人に道を尋ねた。
優しく笑う。
どこまで行っても迷うことなんかない。どこかに出るから、と。
求める答えは得られなかったが、とても安心できた。
実際行ってみたら、自転車は行けない階段道になった。
仕方なく自転車を担いで下りる。
この風情、昔何度か行ったことのある尾道に似ている。
夕暮れ時、再度散歩に出てみる。
やはり、いい島だ、と思う。
選挙やイベントごとにかまけているうちに、ずいぶんと間が空いた。
選挙については、いろいろ書きたいと思っていたが、時期を逸した。
いずれ書くかもしれない。
そういう諸々のことにかまけているうちに、すっかり夏も後半戦に
突入していた。
夏は最も嫌いな季節である。
さらに暑い夏であればなおさらのこと。
しかし嫌いであっても、過ぎ去るまではそれなりの過ごし方をしな
ければならない。
先週末。
海に行ってきた。
これは毎年恒例のわが家の行事である。
とある島である。
海水浴場はあるが他には何もない。
豪勢なものではないが、地の魚を使った料理が安くてウマい。
そんな素朴ささえ感じる島である。
高速と有料道路を乗り継いで1時間。到着した船着場から約10分の
船旅。車は船着場の近くの駐車場に置いていく。
島の船着場には、この日の宿泊先である民宿の女将さんが迎えに
来る。きれいな人なのだが、少々愛想が悪い。端的に言えば無愛想。
しかし、1年ぶりに現れた女将さんは、笑顔さえ見せる。
数年来、通うことでようやく客として認知されたということだろうか。
港から民宿までは程近い。車での所要時間およそ1分。
毎年少しずつきれいになる設備、内装だが、今年は出入り口が自動扉に
なっていた。
さっそく着替え、浮き輪を膨らませ、日焼け止めを塗るなど準備を済ませ、
ビーチに出る。
いつもは休日でも、ガラガラなのだが、今年は少し風情が違う。
とはいっても、こんな感じ。
客層にも微妙に変化があったような気がする。
若者が増えた。
何となく、海水浴場としては穴場で、寂れた漁港というイメージのこの
島だが、少しずつ観光地化されてきたということなのかもしれない。
浮き輪の助けを借りて、仰向けに海を漂う。
青い空だけを視界に、擬似無重力漂流。
この上なく気持ちがいい。
ただ、去年より水が汚くなったな、と思う。
透明度もそうだが、漂うゴミの多いこと。
つまりはそういうことなのだと思う。
観光地化が進み、訪れる人が増える。
島を訪れる客の落とす金に比例して、宿は設備が良くなり、
商売っ気のない民宿は愛想が良くなる。
その一方で、海の家でのビールの値段は上がる。
だが、ただ今はこうやって漂っていられる幸せを感じていればよし。
そう思った。
いい天気だ。
明後日は選挙。
明日は地域の花火大会。
それに加えて明日はわが課のイベントもある。
(これはオマケに近いものがあるけど)
わが職場はいつになくザワついている。
僕もそれらの準備で珍しく残業をした。
帰り道、そんなざわめきをよそに、月が澄ましているのを
見上げた。
少し落ち着く。
さぁ、明日も仕事だ。